現地に着き、のんびりと仕掛けを作り釣りはじめました。
水量が少なく、ポイントもまばら。
釣れる気がしません。
しばらく上がれば、大きな淵が連続していいるのでそこまでの我慢
と言い聞かせ、足早に沢を登ります。
小さな堰堤を2つ巻き、もう少しで淵が現れるというところでした。
そこは沢が直角に折れており、いつも通り左に曲がろうとしたとき、
思いがけない光景が目に飛び込んできました。
崖の陰から枝が見えており、木が倒れ込んでいるのは確認していましたが、
まさかの大崩落現場です。
土砂の向こうからは、本来3m下を流れているはずの水が右上方から流れ込んで
います。
また、左下方には土砂の下をくぐってくる流れが確認できました。
ここまでは冷静でした。先だっての地震の影響でしょう。
ただ呆然と自然の怖さを感じていました。
更に状況を確認したくなり、竿をその場に置いて土砂を巻くように右側の崖を
登りました。
土砂の向こうには巨大なプールができていました。
分かるでしょうか?50mほど向こうの大堰堤が手前の水面に映っているのが。
本来ならば2~3mの川幅の場所です。
体中の震えが止まりませんでした。
写真もかろうじて撮ったこの一枚だけです。
ここにいちゃいけない。
急いで崖から駆け下り、竿をとり、仕掛けを走りながら回収しました。
あのダムが決壊したら100%終わりだと思うと、心臓の高鳴りが止まりませんでした。
一秒でも早く離れたい思いでした。
車に到着して、すぐに市役所の河川課に連絡を入れました。
写真を送れることを告げると、送って欲しいという返答。
すぐに送ると、折り返し「土砂の向こうの水量が分かる写真が欲しい」と要求され
ました。しかし、上に挙げた一枚しかありませんでした。
もう少し、鮮明な写真を撮ってくれば良かったと反省です。
その後、河川課からまたメールをいただき、現地の業者等と確認の上、必要な対応を
とってくださるということでした。
現地の人にも知らせなくてはいけないと思い、梅ヶ島温泉に行き写真を見せて
説明しました。
市役所にも連絡を入れたことを告げると「地元がやらないといけないことをやってくれて
ありがとう。」と労いの言葉をいただいた上、顔面蒼白な私を心配し、温泉で温まって
いきなよと温泉までいただいちゃいました。いつもながら、よくしてくれて感謝感謝です。
久々に怖い思いをしましたが、河川課の方々の尽力に期待するとともに、丁寧に
対応してくださったことに感謝したいです。
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